「ねぇねぇ!プリクラ撮ろう!!」
梨華の提案(強制)でプリクラを撮ったり、いろんな店を回ったりした。

ずっと俺は未羽を見ていたけど。
いつも可愛いのに、今日はいつもより可愛くて、本当に慣れない。目を見てしっかり話せない。

周りの男どもの視線が腹立たしい。
見るな!って叫びたいくらいだ。
俺のでもないのに…。


「はーー!楽し!」
梨華は大量に買った服の袋を持ってスキップをしている。

「梨華、お前いくらなんでも買いすぎじゃねーの?」

「いーの!ほら、もうすぐスキー研修じゃない?その服を買わなきゃだし!」

「それにしても買いすぎだろ…」

そうだ、もうすぐスキー研修か。
早いな…
「未羽がこの学校に来て初めてのイベントだな!」
笑顔で未羽を見ると、未羽は固まったように無表情だった。

「…未羽ちゃん?」
俺らが心配そうに未羽を見ると、未羽はハッとして、


「あはは、私、スキーが苦手で…。しっかり滑れるか不安になっちゃった。」
そう言って、ぎこちない笑顔で笑う未羽に違和感を感じないわけがない。


「…未羽?大丈夫か?」
心配して聞く。

「なにが?大丈夫だよ」
にっこりと笑う未羽。
でもその笑顔は偽物だって俺たちにだってわかった。


…やっぱり未羽はなにか抱えてる。
俺たちに言えないなにかを。

それを梨華も駿も感じ取ったようだった。


「今日はもう帰ろう?」
未羽が偽物の笑顔で言った。