午後11時45分。
俺は集合時間より15分早く家の前に立っていた。

…早く出すぎた。
もう一回部屋に戻ろうかと悩むけど、なんとなく外で待つことにした。


俺は今日ずっと未羽の私服が楽しみでワクワクしていた。
制服であんな可愛いのに、私服になったらどうなんだよ…。

ガチャ…
「あれ?天くん?早いね!」
タタタ…と小走りで未羽はやってきた。

茶色い可愛らしいブーツ。
細い足が覗く薄いピンク色のコートワンピース。
手には女の子らしいバッグ。
グレーのマフラーからひょっこり出た小さい顔。
メイクをしているのか、唇は赤く、頬はほんのりピンク色。
ふわふわな髪には白いリボンがついていた。

「…かわい」
俺は思わず口にしていることに気づかなかった。
これは…反則だろ。
可愛すぎる。