「転校したとしか考えられねーな」
駿が頭をガシガシと無造作に掻く。
セットされた髪が台無しだ。

「そうだね…。」

「でもわかんねーことがもう一個あるぞ。なんで高塚未羽はそのことを隠しているか、だ。」

俺が言うと、また駿はガシガシと髪を掻いた。

「言えない事情でもあるのかしら。」


「わかんねーけど、このままじゃ気になって眠れねーよ。」


「"高塚未羽がいつ、どこで俺らと会っていたのか"…ってことを探るしかねーんじゃねーの?」

「…!おもしろそうじゃん!」
駿が目を輝かせる。