「なんでそう思うのよ?」

「…なんか目が合った時…そんな気がした…」
駿が困ったように言う。

…目が…合った時…
俺は高塚未羽と目が合った時のあの不思議な感覚を思い出す。

「俺も目が合った時、なんか不思議な感じがしたけど、それは会ったことがあるからじゃなくて高塚未羽が綺麗すぎたからなんじゃねーの?」

本当に時が止まったかと思うくらい綺麗だった。

「そうよ、だってあの時の駿、見惚れて顔真っ赤だったわよ?」

「そ、そりゃあ綺麗で見惚れてたってのもあるけど…
なんか俺、高塚未羽を見てから何度も4人でいた情景が浮かぶんだ。」


「4人って…私たちと高塚未羽?」

「ああ、ぼんやりとだから場所とかいつだとかは全然わからないんだけど…。情景が浮かんでくるたびになんだかひどく懐かしくなって悲しくなるんだ。」

俺らは駿の言葉になにも返せず、しばらく沈黙が続き、家についた。