「よし、できた」

紙飛行機を作るのは何年振りだろう。

ちゃんと飛ぶかな。どうせなら、海まで届いて欲しいな。

碧人くんへの想いがたくさん詰まった紙飛行機。

たった1枚の紙切れに、最後の想いを託した。


「大丈夫、怖くない」


ぎゅっと目を閉じて、また深く息を吐いた。

ドキドキと響く鼓動が心地よい。

落ち着いてきた涙と呼吸が、さらにわたしを安心させてくれる。


告白するの初めてなんだよね。

恋愛に興味がなかったから、こういうときなんて言えばいいのかわからないけれど。

自分が伝えたいことを口にすればいいだけだ。


真っ直ぐ前を見据えると、綺麗な島の景色が目に映る。

そしてわたしは、大きく息を吸い込んだ。

後悔のないように、遠くにいる碧人くんに届くように。

ありったけの気持ちを込めて叫ぶ。


「わたし、碧人くんが好き!」