「碧人くんが記憶喪失だって打ち上げてくれたとき、すごく驚いたけど、

力になりたいって思った。

いっぱい変な作戦考えて、いっぱい失敗して、いっぱい怒られて……。

記憶を取り戻すことから始まった関係が、こんなにも愛しくなるとは思ってなかった」


恋愛と友情を見失ったときもあった。

桃花に嫉妬して、キミに対する想いが変わっていくことに気づいてたに、知らないふりをした。

今でもたまに思うよ。あのとき、自分の気持ちを認めていたら何か変わっていたんじゃないかって。


「島に行ったときは、まさか碧人くんの元カノに偶然出会うなんてね。

偶然っていうか必然だったのかな?

碧人くんと北上さんは見えない赤い糸で結ばれてそうだもん」


北上さんの想いを知って、協力してあげたいと思った気持ちは本物だった。

もしもあの日に戻れたとしても、わたしは何度だって同じ答えを選ぶと思う。

碧人くんも北上さんも………どちらも助けてあげたかったから。