「碧人くんと初めて会ったのは、桜が降る公園だったね」


居るはずのない碧人くんに向かって言葉を紡ぐ。

わたしの精一杯を聞いてほしい。


「まさか初対面の人から絆創膏を貰う日が来るとは思ってなかったし、

ましてや、また再会できるとも思ってなかったよ。

あのとき、占いを信じて歩いてよかったな」


頭の中に、碧人くんと初めて会った日の情景が浮かぶ。

あのとき、公園に来たのがキミでよかった。

あのとき、公園に行ったのがわたしでよかった。


「学校で再会できたときはすごく嬉しかったなぁ。

それなのに碧人くんったらすごく素っ気なくて驚いた。

「目障りだ」って怒るんだもん。正直、泣いちゃいそうだった。

だけどわたしは、碧人くんが優しい人だって信じてたから……」


そして、やっぱりキミは思っていた通りの人だった。

無理して冷たい態度をとったって、本当の良いところは消えないんだよ。