碧人くん、早く目を開けてよ。


話したいことがたくさんあるの。

彼女にはなれなくても、碧人くんの1番の友達にならなれるかもしれない。

わたしはそれだけで十分幸せだから。

早く碧人くんの声を聞かせて。


「碧人くん……」


ベッドの上で眠る碧人くんに近づいて、そっと頭を撫でた。

相変わらず髪の毛、サラサラだね。

初めて会ったときから艶のある黒髪はとても綺麗で、見惚れてしまったのをよく覚えている。


まだ碧人くんと出会ってからあまり日が経っていないのに、過ごす日々が色鮮やかで1年以上経ってしまったような感覚。

いろいろあったもんね。

「ふふっ」と密かに笑みを零した。


そして次の瞬間、


「………………んっ…」


誰かの力のない声が聞こえた。


えっ。

今の声………。