隣に並ぶと、余計に伊東は小さく見える。

二人で並んでフェンスに寄りかかる。夏の風が今日は少し冷たい。


「まだかなぁ」

腕時計を見ると、7時35分。


「そろそろ始ま」

「先生みてみてみて!!!」


答えようとした僕の声は伊東の声にかき消された。

伊東が指さした先に、ドーンっという大きな音とともに

見たこともないくらい大きな花火が現れた。


次々と打ちあがる色とりどりの花火。

あまりのきれいさに、僕は何か言うのも忘れて魅入っていた。