ガラガラと音楽準備室のドアを開ける。
伊東の所属するパーカッションパートは、いつも音楽室の隣のこの部屋で練習する。
他のパートは入ってこない隔離された部屋で、パートだけで過ごすのだから、パートが仲良くなるのは必然だった。
「あれ?九条しかおらんの?」
窓際に座っていた九条に伊東が、声をかける。
「んー、岡部たちは、別のとこで練習しよる」
「なんで?もももそっちいこかなぁ」
伊東が自分の楽譜を出そうとしたとき、九条が立ち上がった。
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