「どうした?」
「次のコンクールの話なんですけど、ももから聞いてます?」
「次のコンクールのこと、僕も聞こうと思ってたんよ。伊東にメンバー表だせって言ってから何も聞いてないから」
僕ののんきな返答に、九条はあからさまにため息をついた。
「そのメンバー表のことで三年生がもめてるんです。」
九条の話をまとめると、コンクールに出場するには、八月まで部活に残らなければならず、少なからず受験に影響がでると言う三年生が出場をしぶっているらしい。
「僕は出たくないやつは出なければいいと思います。けど部長的にはみんなで出たいんですよ、最後だから。」
出たくないと言っている三年生を、一人で伊東は説得しまわっているらしい。