こんなのいつものことだから、気にしてない。

そう思っても心は痛む。


リビングにいる3人に気づかれないように階段を上り

自分の部屋へと入ると同時にベッドへ倒れ込んだ。


するとドアの向こうから弟の雅紀の声が聞こえてきた。

「紗由里?帰ってきてんだろ?」

「…なに?」

「ドアぐらい空けてくれよ」