とっさに離れて高鳴る胸を抑えた。


「何してんの、こんな夜中に」


そう言われてケータイで時間を見ると11:30。


彼は私の顔から視線を大きなボストンバッグへ移した。


するとため息をついて腕を組んだ。


「家出か。」