金縛りにあったみたいに釘付けになったまま動けない。 すると彼は私のそばまで歩み寄ってきた。 「あんたも、暴走すんのはほどほどにしとけよ。」 そう言ってスタスタと歩いていってしまう。 私は慌ててその大きな背中に向かってお礼を言った。 「あ!あの!ありがとう!!」 彼はこっちを振り向くことなく片手をあげて歩いていってしまった。