『さあ!始めるどん!』


高く可愛らしい声で勝負は始まった。


選曲は何でもいい、と言うので私が1番得意な曲を選んだ。


選ばせるなんて甘く見過ぎよ!



難易度は鬼。
これは何も言わず決めた。
2人の実力は計り知れない。

曲が流れると、その名の通り鬼のように流れていく。


一つ一つ間違わないように、覚えたリズムを丁寧に叩いた。




チラッと日向を見ると、その様子はまるで王者のように貫禄を感じた。


冷や汗がおでこをつたう。


必死になって連打をした。




負けられない。絶対に。

太鼓を叩いて8年。
時にはバチがすり減ってしまうこともあった。
また時には手に血豆が出来ることもあった。


それくらい、太鼓の達人には情熱をかけていると言っても過言ではない。