エンディングロールが流れてぞろぞろと映画館を出る人達。


「私達も出ようか。」


と立ち上がろうとした次の瞬間



「あれ?陽菜。…と誰だその男?」


聞き覚えのある声がした。
声の主を探すと、私達の斜め左前にいた。

高い身長に、茶髪、ハーフのような顔立ち。

鮮明に思い出す。
あの時のことを。


「日向!?」


目を丸くする私を見て、隣で不機嫌そうにする白倉くん。

「誰だ、ってこっちのセリフだよ。俺の陽菜に何の用?」

俺のって…いつ貴方のものになったんでしょうか。


「誤解しないで?白倉くんが勝手に言ってるだけだから。日向は……彼女さんと来てたんだね。」


日向の隣にはこの前下駄箱で見た、二つ結びのお人形さんのような可愛い女の子が寄り添っていた。


すると日向は自分の彼女を褒められたというのにしかめっ面をしている。