「沼田さん……?」

萩が、軽く息を呑む。
そうして、笑顔を浮かべた。

「ええ。責任持ってお預かりします。俺達で」

差し出された手を、沼田は握り返した。
暖かい手だと、思う。

この手なら。
きっと、タカヤを治してくれる。

まぁ、頭の中味は、もとから上等ではないけれど。
それでも、タカヤが安心して笑えるように、変えてくれるだろう。

そのために邪魔なものを取り除くことが、沼田にできるせめてもの協力だ。


萩と青年が、部屋を出ていく。
窓の外はそろそろ、明るくなってきている。
沼田は、カーテンをひと息に開けた。
窓も開けて、外の空気を入れる。