タカヤが今一番欲しいものは、クスリなはずだ。


小さなキンギョに詰められた、わずかな透明の液体。


そして、タカヤにそれを与えてやれる人間は、沼田しかいない。


おそらく禁断症状で、タカヤは相当イカれているだろう。


あの図体に暴れられたら、たまんねえな。

想像して、沼田はうんざりした。


タカヤが暴れたら、抑えきれる自信がない。


殴られるくらいですめばいいが、警察沙汰はごめんだ。


そう思いながら、沼田は、微かに笑った。


タカヤに、会うことができる。