そろそろ、薬も身体から抜けただろうか。


気付けば、タカヤのことを思い出している。

そう簡単に抜けるものでもないだろうが、少なくとも、もう二度とクスリをやらなければ、死ぬことは遠ざかる。

あのお節介そうな医者達なら、クスリが抜けてすぐタカヤを放り出すこともないだろう。

沼田の側にいるより、よほど幸せなはずだ。


非合法なクスリを売って生計を立てている、最低な人間でも、他人の幸福を祈ることはできるはずだ。


ま、てんでガラじゃねえけどな。