青年が、沼田を睨む。


「あんたが、こいつの頭をこんなにしちまったんだろ」

「こら、純」


隣に座っていた萩が、青年の頭を小突く。


「いってーな、何すんだよ、センセエ」

「横から話をかき混ぜるな。おとなしくしてるっていうから、連れてきたんだぞ」

「だって、センセエはムカつかないのかよ。
こいつだって、俺とおんなじだったかもしれないんだぜ。
俺はセンセエに拾ってもらったけど、もしこいつに拾われてたら、俺が、こいつだったかもしれないんだ。
そう考えたらさ……他人に思えねえよ」

「……ほんとに、おまえは顔に似合わず、感受性があるよな」


萩が、苦笑してから、沼田に頭を下げる。


「すみませんね。しつけが行き届かなくて」