「ばっかだな、タカヤ。おめぇを捨てたりなんかするか。戻ってきたら、使った入院費も稼いで返してもらわないとな。……ちゃんと、待っててやる。心配すんな」

「……ほんとうに?」

「ああ。大体、萩っていう医者も、おまえの知合いなんだろうが。お前から拾われに行ったんじゃねぇのか?」

「ほんとうに、捨てない?」

「しつっけえぞ!殴られてぇか!」


沼田の恫喝に、ひゃっ、と、タカヤが首をすくめる。

目を擦って、ようやく、笑った。


「それなら、オレ、行ってくる」