ふえ、と、タカヤが泣き顔になる。


「ご、めんなさい」
「謝ってすみゃあ警察なんざいらない、ってな。ま、心配すんな。死ねっつってる訳じゃねぇからよ」

足を降ろして、タカヤの前にしゃがみこむ。

頭を撫でてやりながら顔を覗き込むと、タカヤは不安そうに沼田を見上げた。


「ここを出ていったらな、あの医者がおまえの面倒を見てくれるんだと。ありがたい話だろ?」