まっすぐにあたしを見つめる一輝くんを、あたしもじっと見つめ返す。


一輝くんを、好き......?あたしが......?


少し汚れた白いユニフォーム、春になってますます黒くなってきた日焼けした肌。

一点の曇りもない優しい笑顔も、いつもあたしを抱き締めてくれた筋肉質な腕も、一輝くんの全部が大好きだった。


思い出すと胸が締め付けられるような気持ちになったけど、それを押し潰すように拳をかたく握りしめた。


「好きじゃない。
好きでいられるわけがない」


あたしの言葉にも、一輝くんは表情ひとつ変えずにただじっとあたしを見据える。


「それなら、何で?
嫌がらせですか。
友だちじゃなくなったからって、嫌がらせしてもいいんですか?」

「一輝くんだって」


反省も謝罪も口にしないあたしに一輝くんは深くため息をつく。

あたしが謝るべきなの?
そりゃ少しは悪かったかもしれないけど、一輝くんだってあたしを傷つけた。一輝くんから先に謝ってくれないと謝りたくない。