一輝くんには声かけたのあたしってバレただろうけど、まいいや。

少しはスッキリした。て、いいのか?
なんかあたし、どんどんイヤなやつになってない?

元カレの新しい恋邪魔してどうするよ。
これじゃ、あのストーカーメガネと一緒じゃん。


ああ~もう......っ!
なんであたしがこんな......。


今度は猪から熊へと変化して、日が当たらない校舎の陰をその場でクルクルと回る。

イライラするし、自分がどんどん嫌なやつになっていくし、なんかもう分かんない。





「?どうかしましたか?
何か困ってます?トイレの場所ですか?」

「あ、いえ、特に。
大丈夫です、ありがとうございます」


クルクル回り続けるあたしをいつから見ていたのか、とにかく声をかけてくれた他校のさわやか男子に苦笑いで応える。

完全にただの不審者だよね、あたし。