猪のように猛進していると、校舎の陰に一輝くんと黒髪ポニテ女子発見。

あれは、向こうのマネージャー?

何話してるかまでは聞こえてこないけど、初めて会ったはずのマネさんと楽しそうに話している一輝くんに無性に腹が立つ。


あーそうですか。

あたしには気まぐれでコロコロ男変える女みたいなこと言っといて、自分はこんなとこでナンパかっ。


冷静に考えればそんなことはないだろうし、仮に一輝くんがナンパしてたとしても、あたしには何の関係もない。


頭の片隅ではそれは分かっていても、猪と化したあたしの勢いはとまらず、そのまま突進していく。


「やめた方がいいよ。
その人、何か落としても一緒に拾ってもくれない優しさの欠片もない男だから」


息を切らしながらも二人の後ろから声をかけて、二人が振り向く前に逃走。