「メイク元に戻したんだね。
そっちの方がにっしーに合ってる」


部活があるから髪はアップにまとめてきたけど、しっかり巻いてきたし、つけまでまつ毛もバサバサ、メイクばっちり。

完璧にギャルに戻ったあたしを、みのるはまじまじと見る。


「あ、これ?うん、完全復活。
清楚系にイメチェンしても良かったんだけど、やっぱ西川みどりはギャルじゃないとね」


冗談めかしてVサインをすると、みのるはそうだねと穏やかな笑みを浮かべた。

なんかみのるの笑った顔、久々に見たような気がする。


「......あのさ。
みのる、一輝くんに話したの?」

「......うん、全部話したよ。
やっぱりあのままだと、にっしーにも一輝にも申し訳なくて」

「そっか、一輝くんなんて?」


一輝くんの話題に触れると少し表情を固くしたみのるは、うつむいて息を吐いた。