そっか、そうなんだ。
さっきので、はっきり分かった。

友達が言うように、あたしたちもう別れてたんだ。


気づかなかったわけじゃない、一輝くんはさっき絶対にあたしの存在に気づいてたのに、分かっててあたしを無視した。


はっきり別れようという言葉はなかったにしろ、もうあたしたちはあの日とっくに終わったんだ。


ばか、気づけよあたし。

なんのための恋愛経験なの?


ばかみたい。

もう修復不可能な状態なのに、ほんとは自分でももうダメだって分かってんのに、それでもまだやり直せるんじゃないかって信じてたなんて、ばかみたい。


一輝くん、この後内巻きと二人でどっか行くのかな。
やだな......、嫌だけど、でも仕方ないんだ。

もう別れてるんだから、他の女とカフェ行こうがホテル行こうが一輝くんの自由なわけだから。


これ以上ないってくらいに、落ちるとこまで気持ちが落ちたあたしは、図書室から一番近い女子トイレに急ぎ足で駆け込む。