「ん、いいよ。でもめずらしいね?
普段は一輝くん、そういう噂信じたりしないのに」

「最近よく二人でいるみたいやけん、気になって.......。正直言うと、嫉妬してました」

「......友達だし、同じ部活だし、二人で話すこともあるよ。でも、何もないからね、みのるとは」


嘘に嘘を重ねていくことに罪悪感を感じながらも、ひとまず否定しておくと、一輝くんは分かってますと言いながらもため息をついて。

あたしを抱き上げて、トレーニングルームに置いてあった机の上に乗せた。

机の上に座ると、立っている一輝くんとちょうど同じくらいの目線になる。


「一輝くんそういうの、気にしないタイプかと思ってた。
敦士と絡んだりしても何も言わないし、元カレの話とかも聞いてこないし」


そりゃ全く嫉妬しない人はいないと思うけど、一輝くんが対抗心燃やしたのって秀くらいだし、元カレの敦士も気にしてないくらいだから、そこまで嫉妬深くないタイプかと。


あたしの腰に両手を回す一輝くんの頬にそっと触れると、ぐっと抱きよせられた。


「......一輝くん?」

「嫉妬、しますよ。実先輩にも、今までの彼氏にも。
前の男の話なんて聞いても腹立つだけやけん、聞かないだけです」


一輝くんと目が合うと、そういう時の、アレの前みたいな切羽詰まった顔をしていて。

あヤバイなと思った瞬間、いきなり深いキスをされた。