「ボール直しがあったけん、今日は一緒に行けないって言ったと?言ってくれたら、手伝ったのに」

「.......う、うん、ありがとう。
でも、こういうのはマネージャーの仕事だからさ、一輝くんは気にしないで?」


あ、そっちね。
さっきの話聞かれたかもって一瞬あせっちゃってたけど、一輝くんとしては、いつも一緒なのに今日はわざわざ別々にきた理由を気にしてたわけだ。

そっちでよかっ......、や、よくはないよね。


「実先輩には手伝ってもらったのに?」

「ごめんね、にっしー。私気がきかなくて......」


同時に発言した一輝くんと理穂。


そうなるよね。

どっちに、なんて言い訳しようか迷う。


一輝くんとしては、マネージャーの仕事って言っといてみのるには頼むんかいってなるし。

理穂には、マネージャーなのに理穂はやってないみたいな、イヤミだと思われたかも。


「にっしーから頼まれたわけじゃないよ?
今日は僕がたまたま早く来すぎちゃって、ヒマだったから、一緒にやってただけ」

「そうそう!理穂ジャージに着替えにいこっ。
一輝くんも早く着替えたら?」


みのるが入れてくれたフォローに便乗して、理穂と腕を組んで部室の外に出て、なんとかその場を切り抜けた。