それでもまだ浮かない顔をしているみのるに、ついにあたしの怒りが爆発。

こいつは一体なにがしたいんだ。


「たかが一回キスしたくらいで、いつまでもグダグダ言わない!昨日のことはあたしも悪かったし、あたしが許すって言ってるんだから、もういいの!

アンタは、本当に好きな人とすればよかったって、初体験をずっと後悔してる女か!別に初めてってわけでもないでしょ?

次に謝ったら、本気で殴るからね」


あたしの気迫に押されて、みのるはこくこく無言でうなずく。


「ごめ......、じゃなかった、もう謝りません」


また謝ろうとしてきたみのるを、ギロッとにらむと、あわててみのるは自分の口を手でふさいだ。


「よし!最後にひとつ聞きたいんだけど、みのるはあたしと友達でいいんだよね?それ以上の関係は望まないってことで、おっけ?」


あたしをしばらくはこのまま好きでいるのも、すっぱり諦めるのも、みのるの自由だけど、これからみのるがどうしたいかははっきりさせとかないと。


「うん、友達でいたい」

「ふーん......、了解」


何の迷いもなく友達を選んだみのるに、それならいいの、と答える。


ここでみのるが引くのなら、それでいい。

だけど、もしもみのるが先に進めたいと思ってるなら、いずれはバレるだろうし、一輝くんにも言わなきゃいけなくなる。

浮気二股、秘密の関係は望んでないし、一輝くんと別れて他の男を選ぶってのはもっとナイから。


まあ今のみのるの感じだと、それはナイとは思ってたけど。