ようやく目を覚ました頃には今日最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴っていた。
すごい寝てたな、自分。
「……樹里?」
いつもは授業が終わると真っ先に駆けつけてくる樹里がいなくて、辺りをキョロキョロと見回す。
「ねえねえ、今LUCE動いてるみたい」
「あ、それ聞いた。なんかどっかのチーム吸収しようとしてんでしょ?」
クラスメイトの女子達の話し声が耳に飛び込んできて、もしかしたら樹里もLUCEのメンバーだし、しかも上のメンバーだからもう帰ったのかな、と考える。
だったら、私もさっさと帰ろう。
そう思って鞄を持って席を立とうとしたら、目の前に数名の女子が立ち塞がった。
「ねえ、あんた」
派手な髪色、メイク。
キッと私を睨みつける瞳。
それだけで自分が今からどうなるのか簡単に想像できてしまった。
……面倒。
無視して教室を出ようとしたら、
「ちょっ、待ちなさいよ!」
肩を思いきり掴まれて、無意識に顔が歪んだ。
「……何」
ゆっくりと振り向いて返事をする。あからさまに嫌な顔をしたせいか、女達の顔が苛立ちを露わにする。