真白を見送って、迎えに来た車に乗る。



「ねえ、岳」


車が走り出したと同時に樹里が口を開いた。




「シロは僕といて楽しいのかな」



は?



「いきなりどうした?」


「だって、僕といたらよくない視線も集まるから」



ああ、樹里はそれが真白の負担になってないのか心配なのか。



「今さらだな」


「うっ、まあそうだけど……」


「大丈夫じゃねえ?迷惑だったら真白ならハッキリ言うだろ」



それに。



「案外お前のこと必要としてるかもな」



ポツリと呟いた言葉。


え?と樹里が聞き返すけど、「なんでもない」と答えておく。




樹里が真白のことをずっと話してたせいか、俺も真白がどういう女か気になって雑貨屋に一緒に行った時、


樹里のこと嫌いなんて感じはしなかったし、むしろ楽しそうだった。



友達としてか恋としてかは知らねえけど。



なんにせよ、話によるとこいつが入学早々絡みに行ったみたいだから、真白も他に友達もいねえと思うし、樹里に助けられてる部分もあるだろ。



「そうだよね」


そう言って笑った樹里だけど、どこかいつもと違っていた。



……真白と何かあったのか?



口を開こうとした時、



「着きました」


「大和(ヤマト)、いつもありがと!」


ちょうど車が止まって樹里が出て行ってしまったから聞くことができなかった。