「皐月、降りて。で、走って着いてきてよ」 「無理。絶対、無理。 いいから乗れよ。朝みたいに乗せてやろうか?そっちの方が注目されると思うけど」 ニヤリ、と笑いながら痛いところをついてくる皐月にヴッと詰まってしまう。 まぁ、自分から乗った方が身の安全かな。 私は、渋々朝と同じ荷台の上に乗ると、自転車は走り出した。 もちろん、朝と同じ速いスピードだったから皐月の腰に手を回すしかなかった。