私は、この状態の発端をつくった奴を恨んだ。



だいたい皐月が悪いんじゃないか。
あんな速すぎるスピードを出すなんて。
好きで抱きついたわけないでしょ!



私は、皐月との仲を誤解されるのが嫌で弁解していると、



「まだ、付き合ってねーよ」



背後から聞こえた、もう聞き慣れた声。



「“まだ”って事は……?」



クラスメイトが期待の眼差しで皐月を見た。



「ぜってー落として、付き合うってこと。」