突然腕を引っ張られ、抱きしめられたため、変な声が途中出てしまう。



確かめるように、強く、強く。



「皐月……、」


「どれだけ待ったと思ってんだ、」



皐月の声がいつもより弱々しくて、胸が苦しくなった。


「ずっと待っててくれてありがとう」



私がそう言うと、体が離されて優しく涙を指で拾ってくれる皐月。



目線があって、優しい顔で笑ってくれるからドキドキがとまらない。



「………好き、」



自然と出てきた言葉に、はっと口を押さえる。