* うっすらと、なにやら声がする。 数回目を開閉すると、ぼんやりと映っていた景色が鮮明に見えるようになった。 『……皐、月?目が覚めたの?』 『母さん…?』 心配そうに顔を覗き込んでいる母さんの名前を呼ぶと、ガバッと強い力で抱きしめられた。 『良かった……っ、心配したんだからね』 『大丈夫だよ、母さん』 あぁ、俺は愛されてるんだなって改めて実感できたような気がする。 俺は右足と右手にヒビが入っていること。