交差点の信号に引っかかり、膝に手をついて息を整える。



ふ、と辺りを見渡すと、左側に皐月と思われる傘を差した後ろ姿が見えた。


やっと、見つけた。


どくん、どくんと鼓動が速くなるのが自分でも分かる。



落ち着かせるために深呼吸を一回し、名前を呼ぼうとしたその時、



___プッー!!



と、車のクラクションの音が聞こえ、その音の大きさゆえに、近くにいた人が音の方に振り返る。


もちろん、私も例外ではなかった。