「……そんなの無理に決まってる、よ」 私の答えを聞いて、優しく笑うなっちゃん。 「…行ってこい、……ふられたら慰めてやる」 そう言って髪をぐしゃぐしゃと荒く撫でてくる。 皐月に思い伝えなきゃ……。こんなに背中押してくれる人もいるんだから。 私は手でぐしゃぐしゃにされた髪を元に戻し、イスから立ち上がった。 「なっちゃん、ありがとう。行ってくる」 微笑みながらそう言うと、なっちゃんも返事の変わりに微笑み返してくれた。