私は、ハンガーに掛かっているブラウスを着て袖を捲った。 赤と黒のチェック模様のネクタイも緩めにして。 ネクタイと同じ模様のスカートをはいて、黒の靴下をはいて部屋を出る。 「おはよう、お母さん。絵梨おばさん」 私は、それだけ言うと机の上に並んであったパンケーキにはハチミツをたっぷりかけて頬張った。 あ……。この味。お母さんの味じゃないんだけど。……なんだか落ち着く味。 「美味しい。これ、絵梨おばさんが作ったでしょ?」