「自意識過剰、だっけ?」
呆然としている私の耳に入ったのは、今まで聞いたことがないくらいの皐月の冷たい声で、肩をびくりと震わせる。
「だったら、お前もだよ。“好き“って言った瞬間?意識してたのか、分かりやすい動揺してたけど、
俺が、お前のこと本当に好きだと思う?」
___ドクン、ドクン
心臓が大きく、嫌な音を鳴らす。
「別に……お前なんて、好きじゃない。
…お前を落とすために、言ったに決まってんだろ」
……あぁ、私バカだ。なに、騙されてたんだろ?
クレープの時も、球技大会の時も、夏祭りの時も、風邪ひいた時も、全部全部私を落とすためにした計算だったんだ。