「……なぁ、」
おでこから皐月の体温が私の体温に移るように、熱く、とろけてしまいそうになる。
「アイツじゃなくて、俺にしろよ。」
苦しそうに掠れた声で言う皐月に胸がギュと締め付けられた。
お互い見つめたまま、ただただ時間が過ぎていく。
先に罰が悪そうに目を逸らしたのは皐月だった。
「……、ごめん。熱のせいでおかしくなってた。…今のことは忘れて」
そう言いながら、皐月は私の上から退けたので、私はベッドから降りる。
「俺が無理矢理帰らせたってことでいいから、もう帰っていいよ。母さんにも言っとくから」