二階へ上がると二つの扉があり、私は迷わず奥の扉の前に行った。



一度だけ、絵梨おばさんに説明してもらった事があるからね。



「ここが皐月の部屋だから」って。

必要になることないって思っていたのに、まさかこんな形で必要になるとは…ね。



そんな事を考えながら、ドアノブに手をかけると、よりいっそうにドキドキと心臓が暴れ始める。


あの夏祭り以来だから、皐月に会うだけなのに妙に緊張して落ち着かない。



大丈夫、大丈夫。皐月は風邪をひいてるし。落ち着け、落ち着け、私。