「じゃあ、お言葉に甘えて…ありがとう」



そう言って、輪になっている所を人差し指に通して、二つのヨーヨーをぶら下げた。



「……あ、そろそろ花火始まる。行こ」



自分の腕時計に目をやり、そんな事を言う皐月。



おじさんに「ありがとうございました」と言ってその場を後にした。



土手道沿いには、シートを敷いて花火が始まるのを今か今かと待っている人で溢れかえっていて、とてもじゃないけど座れそうにはない。