私は、恥ずかしくて顔が熱くなっているのに、皐月を見るといつもと変わらない余裕のある顔。



……私だけがドキドキしてる。



その事実が悔しくて、私はなんでもないように装おって、皐月が使ったスプーンでかき氷を掬って食べた。



ドキドキしすぎて味なんて分からなかったけど。



二人とも食べ終わり、近くの段ボールで作られたゴミ箱にカラになったカップとスプーンを捨てると、再び繋がる手。



それが少しだけ、ほんの少しだけ嬉しかったのは、内緒。