「…一人で大丈夫なんだったら、これ振りほどける?」 唇を固く結んで、不機嫌な皐月の顔が目の前にある。 グイグイっと抵抗してみるものの、もちろん振りほどけなくて。 それ以前にビクともしない。すごい力。 「……分かったから。やめてっ」 振り絞った声は情けないくらい弱々しく、皐月はその言葉を聞いて手首の拘束を外してくれた。 「ほらな、男と女の力なんて全然違うんだよ。…男甘く見すぎ」 「……っ!」