「ちょ、ちょっと!何すんのよ!



「耳、弱えーのな。」



「う、うるさい!誰でも突然されたらこうなる!もう教室帰るから!」



いくら何でもやり過ぎだよ。
私を落とす為とはいえ。



ムスッとしたまま、再び教室の扉に手をかけると、今度は後ろから絡めるように手が重なった。



「……俺、 お前には来て欲しいから。」



耳元で囁かれた声が優しい音色。
それに反してぎゅうと強く握られる手。

全てがドキドキする材料になって、私は恥ずかしさのあまり皐月を押し、空き教室を後にした。