嫌味ぽく言葉をはきだして、空き教室を出ようと扉に手をかけると、突然後から肌の温もりに包まれた。



あの日と同じ肌の温もりで、あの時の事を思い出し顔がボンッと赤くなる。



でも、あの時はシャンプーと柔軟剤の優しい匂いだったけど、今は香水を付けているのかシトラスの匂いが鼻を擽った。



「ちげーよ。そうじゃねーよ」



甘く掠れた声が鼓膜を揺らし、ドキンドキンと胸が高鳴る。



「……エロい目で見られてんだよ、バカ」