「うわー、みんな似合う!」
口々にみんなが褒めてくれる中、私は恥ずかしさのあまり床を見つめていた。
だから、『特に青瀬、エロいし。すげー可愛いくね?』なんて言葉私の耳に入ってくるわけなくて。
そんな事を言った男子を皐月が睨んでいた事ももちろん知らなかった。
「……なぁ、コイツ借りていい?」
突然、不機嫌な低い声が頭上から聞こえる。
「あ!うん、もちろん!」
私の許可なくあっさり了承されると、手首を強く引っ張られ、されるがままに教室を後にした。
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