スクリーンに写っていたのは…紛れも無く十年前の俺達だった。

多少恥ずかしがりながらの演技が初々しい。

紫音…。
お前…言ってたよな?

『もし私が消えたらどうする?』ってさ。

紫音。やっぱりお前は俺らの心の中にいるんだよ。

消したくても…
消えてくれない大切な…『光』なんだよ。

俺は画面の中の紫音を見て知らず知らずの内に泣いていた。

「あれ…?」

俺は涙を指ですくう。

皆も自分が流した涙の答えが分からないようだ。

「しおんっ…」

皆の涙は止まらなかった。

十年たっても消えてくれない光…紫音。

俺はが向こうにいったら紫音に文句言おう。

「なーにが『消えたらどうする?』だ。しつこく残ってんじゃないか!」

ってな…。

いつの間にか映画は終わっていた。