その時、部屋の扉が、ゆっくりと開いた。
「雅也!静香!」
扉の向こうから出て来たのは雅也と静香だった。
雅也と静香が部屋に入ったのを確認してから令志は扉を閉める。
「よっ!」
「久しぶり!」
雅也と静香は非常に簡潔な挨拶をした。
こうして皆と話すのは八年ぶりくらいになる。
みんな積もる話があるのか話が途絶えることはなかった。
中でも驚く話題があった。
「えぇ…!?雅也と静香って付き合ってたの?」
渡が驚きの声をあげる。
「あぁ…。たぶん付き合いは百合菜達と同じくらいだぜ?」
「…全然気付かなかったよ…」
百合菜が呆然とする。
「あの時…紫音に…素直になれって言われたからね。雅也にぶつかってみたの!」
紫音…。そう。ここにいるはずの紫音はもういない。
俺は少し胸が痛くなるのを感じた。
「何で隠してたんだよ」
令志の疑問も最もだ。言ってくれれば祝福したのにな。
「ん?ただ聞かれなかったから」
やっぱり雅也はどこか抜けている。
「じゃあこの部屋でカップルどうしじゃないのは桜花と令志さんだけですねっ!」
美紀にそう言われた桜花と令志は思わず顔を見合わせた。
「じゃあ桜花……俺達付き合おうか」
「嫌です。私が付き合うのは翔先輩だけです」
皆は笑っていたが、おれは笑えなかった。
帰ったら百合菜に殺されるかもしれない。俺はそんな恐怖を感じていたのだった。
「雅也!静香!」
扉の向こうから出て来たのは雅也と静香だった。
雅也と静香が部屋に入ったのを確認してから令志は扉を閉める。
「よっ!」
「久しぶり!」
雅也と静香は非常に簡潔な挨拶をした。
こうして皆と話すのは八年ぶりくらいになる。
みんな積もる話があるのか話が途絶えることはなかった。
中でも驚く話題があった。
「えぇ…!?雅也と静香って付き合ってたの?」
渡が驚きの声をあげる。
「あぁ…。たぶん付き合いは百合菜達と同じくらいだぜ?」
「…全然気付かなかったよ…」
百合菜が呆然とする。
「あの時…紫音に…素直になれって言われたからね。雅也にぶつかってみたの!」
紫音…。そう。ここにいるはずの紫音はもういない。
俺は少し胸が痛くなるのを感じた。
「何で隠してたんだよ」
令志の疑問も最もだ。言ってくれれば祝福したのにな。
「ん?ただ聞かれなかったから」
やっぱり雅也はどこか抜けている。
「じゃあこの部屋でカップルどうしじゃないのは桜花と令志さんだけですねっ!」
美紀にそう言われた桜花と令志は思わず顔を見合わせた。
「じゃあ桜花……俺達付き合おうか」
「嫌です。私が付き合うのは翔先輩だけです」
皆は笑っていたが、おれは笑えなかった。
帰ったら百合菜に殺されるかもしれない。俺はそんな恐怖を感じていたのだった。